スナックカー12200系の置き換え用として、1992(平成4)年に登場した22000系"ACE"の流れを汲む新汎用特急車22600系「Ace」が登場した。22000系と同じく広く各路線で運用されるスタンダードな特急車両で、外観は22000系を基本としながら、さらに滑らかでスピード感を強調したものとなっている。また特に車内の快適性を重視した設計となっており、客室内全席禁煙・デッキ部に喫煙室を設置し分煙化の徹底、シートピッチ・背もたれ高さを拡大したシート、座席にコンセントの設置、温水洗浄便座を導入したトイレなど、高水準の快適空間を実現している。
全鋼製の車体で構成される編成は大阪方からモ22600(Mc)-サ22700(T)-モ22800(M)-名古屋方先頭車ク22900(Tc)の4両で、十の位が50番代となるモ22650(Mc)-ク22950(Tc)の2連バージョンも製作される。大きなガラスで仕切られた喫煙室はク22900形の前位デッキに設置、便所・洗面所はク22900・サ22700形に設置し、うちサ22700形のものは車椅子対応の大形便所となる。シートは22000系のグレー系のモケットと異なり、明るい赤系の色調となり、車内の印象も大きく異なっている。先頭部は22000系と同様自動収納幌と自動解結装置・電気連結器を装備する。行先表示器は正面、側面ともにLED。台車は基本設計が21020系アーバンライナーNextと同じ積層ゴムブッシュ軸箱支持方式のボルスタレス台車で、M台車はKD314B、T台車がKD314C。最高運転速度は130km/hとなる。
製造は近畿車輌で、2008年度には4両編成2本、2両編成1本の合計10両が製作され、4月1日より営業運転を開始、2009年度には22両が導入される予定である。
撮 影:高安車庫 2009-3-5 焼田 健
現在「雷鳥」に運用されている485系の置き換え用となる新番代で、681系、683系0番代・2000番代との併結を考慮し、基本性能・システムは同一としながら、安全性の向上、サービス向上を図っている。編成は大阪方1号車クロ683-4500(Tsc5)-サハ682-4300(Tp3)-モハ683-5400(M4)-サハ682-4400(Tp4)-モハ683-5000(M)-サハ683-4700(T7)-サハ683-4800(T8)-サハ682-4300(Tp3)-金沢方9号車クモハ683-5500(Mc5)の3M6T・9両固定編成で、681・683系とも併結可能となっており、従来どおり金沢方に3両増結しての12両編成での運転も可能である。また、従来形式では一部不統一だった乗降用ドア位置がすべて大阪方へ統一されている。車体強度向上策としてアルミ車体では初めてのオフセット衝突対策構造を採用、先頭部分は両先頭車とも貫通構造だが、大阪方クロ683形4500代は現状では幌カバー装置の準備工事のみが行われ、貫通扉はダミーの塞ぎ板となっている。車内デザインはインテリアカラープランについては使用材料も含めて全面的に変更し、従来号車ごとに色調を変えるなどしていたものを青系に統一を図ったものの、基本構成は従来車と同様としている。グリーン車座席は2-1人掛の配置で、枕サイズを大型化し詰物を変更、またコンセントを1人分ごとに設置するように変更し、2人掛座席では中肘掛に、1人掛では側肘掛に設置している。
台車は683系2000番代と同様、軸梁式・軽量ボルスタレス構造のWDT301・WTR301であるが、雪かき受部の強度アップのため、側梁ばね帽の構成を変更するなど、一部構造の変更が行われている。主電動機は定格出力を245kWから255kWへ向上、最高運転速度は130km/h。ただし設計最高速度は160km/hとなっており、160km/h運転する場合にはブレーキ装置の変更で対応するため、これを区分するためM車は車両形式に1000を加え5000番代の付番としている(「サンダーバード」での運用では130km/h運転)。
今回登場した車両の製造は近畿車輌で、今後9両編成12本を製造し金沢総合車両所に配置予定、6月から営業運転を開始し、2011年春までに485系との置き換えを完了する予定である。
撮 影:金沢総合車両所 2009-2-15 安田孝哉
JR東海313系をベースとし、現在18編成36両が運用されている愛知環状鉄道2000系に、3月14日に実施されるダイヤ改正に合わせて増備車2連2本が投入された。最大の変更点は在来2000系がセミクロスシート仕様なのに対して、ラッシュ時の輸送に重点を置きオールロングシートとされたことで、シート中間部にスタンションポールを配置、シートのモケットの色もブルーを基調(優先席部はグレー)とし、床敷物は現行のブラウン系からグレー系を基調としたツートンカラーに変更、また外観デザインはカラーリングが従来の緑のグラフィックが入ったものに対して、同社のコーポレートカラーであるブルーのシンプルな帯となり、外観の印象が大きく変わった他には機構的には変化はない。台車は従来車と同様、積層ゴムを使用したウイングばね式のボルスタレス台車、ND731(M台車)・ND731T(T台車)。
編成は岡崎方Mcの2100形・高蔵寺方Tc'の2200形から成る2連で、車両番号は2151-2251(G51編成)、2152-2252(G52編成)となる。製造は日本車輌製造。
撮 影:北野枡塚車両基地 2009-3-4 安田孝哉